2017年に私がSquare株式会社に入社した当時は、日本向けに特別に制作された現地用の写真素材はありませんでした。米国のストック写真や画像を使用すると、特に日本のように差異が大きく現地向けに制作されたコンテンツに慣れている市場では、外国の遠いブランドというイメージが生まれてしまいます。確かにSquareは世界的な問題に対処する製品で小規模ビジネスの支援を目指しているのですが、別の国や文化にみられるニュアンスを反映させるのが真摯で説得力のあるマーケティング手法でもあります。現地の画像があれば、現地の人々からより共感を得ることができます。
現地の画像の効果は絶大で、現地の人々からより共感を得ることができます。
2018年に、Squareストーリープロジェクトを開始しました。現地カメラマンと協力して、ビジュアル面を重視した記事作りを目指しました。米国のフォトリーダーおよびフォトアートディレクターともコラボレートして、市場のニーズを満たしながら米国のフォトガイドラインにも沿った、日本固有の写真のスタイルと色彩トーンのガイドラインを開発しました。
プロジェクトの予算は限られていましたので、現場に出るアプローチを取りました。加盟店は自分で選びました。ほとんど都内で私の地元の下北沢あたりが多いです。渋谷や新宿にほど近いのですが、下北沢の駅に着くと都会の喧騒から抜け出したという感じがします。より力の抜けたボヘミアンな地区で、古着屋、本屋、音楽ショップなどが集い、ファンキーで個性的なカフェやバーがたくさんあります。
Square加盟店を見かけたら、直接話をして約束を取り付けました。時にはまだSquareを利用していない個性的な店に、ご興味があれば試していただいてインタビューしたいのですが、と話を持ち掛けることもありました。
そしてカメラマンと私は加盟店さまを訪問し、30分間のインタビューをして1時間写真を撮りました。
加盟店さまにお聞きした質問は以下の通りです。
1. ビジネスを始めたきっかけを教えてください。
2. 何に力を入れているビジネスですか?
3. ビジネスを続ける上でカギとなるものは何ですか?
4. Squareのことはどのようにして知りましたか?
5. Squareはビジネスにどのように役立っていますか?
6. 直面しているビジネス上の課題は何ですか?
7. 印象的なお客さまについてお聞かせください。
8. 近々達成したいビジネス目標は何ですか?
2018年から2019までのSquareストーリープロジェクトの一環として、26のインタビューと数々の写真をまとめ上げて公開しました。現在、Squareストーリーの写真を日本の公共のウェブ、有料マーケティング、パンフレット、直販プロモーション用資料、ソーシャルメディア、プレスイベント用素材、およびTVコマーシャルで使用しています。 今回のプロジェクトは完了しましたが、今後はより真摯かつ本格的にSquareを日本で広めていく方法を模索していきたいと思っています。