COVID危機への対応として4月に給与保護プログラム(PPP)が初めて発表されたとき、金融機関は先を争って政府出資の3490億ドルの一部を得て、困窮している事業体に分配しようとしました。Squareは、大銀行が一早く申請プロセスを始め、事業体に実質的に連絡先フォームとなる用紙に記入し複雑なスプレッドシートファイルをアップロードするよう要請しているのを目にしました。またこれらの大銀行は、より規模の大きい事業体への貸付けに最大の動機を見出していましたので、残念なことに小規模ビジネスは蚊帳の外となってしまったのです。
そこで大銀行のやり方をなぞるのではなく、より時間を先行投資して、質の高い体験を作り出しながら、できる限り多くの小規模ビジネスに申請の道を開くことに専心することに決めました。
最も基本的なところでは、以下を行う必要があります。
- 事業に関する情報を収集する
- 給与管理費に基づき貸付金額を設定する
- 貸付情報を確認して、検証のためにSBAを送る。
- 加盟店さまの銀行口座に貸付金を振り込む。
実際のところ、以前はこれよりさらに複雑でした。SBAのガイダンスは絶えず流動的でしたし、事業のタイプが異なれば要件や書類も変わりました。法務チームの協力を得てようやく整理したところ、ほとんどの加盟店さまにとってご自身でこの申請プロセスを行うのは、さぞ困難であろうと実感するに至りました。
プロセスをより分かりやすくするよう、SBA申請を再設計して、入力内容を基に質問を非表示/表示する条件付きロジックを採用しました。これにより加盟店さまは、ご自身の事業に関連する項目のみに焦点を置くことができます。たとえば、従業員がいない事業である場合は、給与管理費について聞くのではなく、 オーナーの報酬についてのみ質問すればよいのです。
昨今は事業運営を続けられるかどうかさえも見通せない、多くの加盟店さまにとって非常にストレスのかかる時期でしたし、現在もそれは変わりありません。すでに他の金融機関経由で申請したにもかかわらず、審査の状況やどの程度の貸付金額となるかについて連絡を受けていない加盟店さまもいらっしゃいますし、さらなるストレスが生じています。このような悩ましい事態に対処するため、デザインチームとコンテンツ戦略チームが密に協力して、あらゆる手続き段階を通して申請プロセスを透明化し、一連のメールやランディングページでお知らせできるようにいたしました。
プロジェクト全体が、巨大かつ職務上の枠を超えたチームワークの賜物でした。プロダクト、ブランドデザイン、コンテンツ戦略、ユーザーリサーチ、プロダクトマーケティング、エンジニアリングの各部署が密に連携しました。弊社は(勝算のある)リスクを冒していると認知していましたので、デザインにさらに時間をかけ、フェーズごとに意思決定をし並列して構築することで釣り合いを取りました。PPP資金は早い者勝ちで底をついたら終わりなので、チームは寝る間も惜しんで働きました。
そしてついに、投資に見合ったリターンが得られました。80,000を超える貸付への道を開き$8億7300万以上の融資を行うことができたのです。弊社ローンの借り手の60%以上が、非雇用主でした。貸付の平均額は$11,000 — PPPの本フェーズ中のPPP貸付平均額の1/10でした。これは、その他の金融機関から貸付を確保できず以前はPPPプロセスの蚊帳の外にあった、大勢の小規模ビジネスを支援するのに成功したことを意味します。
加盟店さまからの肯定的な反応により、弊社はユーザー体験について金融機関(特に銀行)は高レベルでデザイン革新を起こしていかなければならない、ということを学びました。Squareは自身の新しい銀行をご用意して引き続きこの業務に熱意を注ぎ、小規模ビジネスをサポートし続けます。
すべての貸付は、FDIC加盟のユタ州公認興業銀行であるCeltic Bankが行います。